株式会社マルデン
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  魚々紫奮闘記・・・開発秘話・・・

 
小分けされたプラスチックのタル
その1「仕込み開始!」
  平成14年10月某日。前任の魚醤油担当者が事故に遭い、急遽代役となったのが私と魚醤油の出会いの始まりであった。しかも一言「おまえがやれっ」と傳法専務に言われ、イヤともいえず・・・というのが正直なところである。
  そして、仕込み開始。鮭のアラ、中骨等を大量にミンチ状にするのだが、元来あまり魚が好きではない私にとっては見ているだけで苦痛であった。
 
  しかし、大分なれてきた頃にはしっぽを振りながらミンチになっていく中骨が、「バイバーイ」と言っているようで、一人でにやけるくらい余裕が出てきた。
鮭自体がとても新鮮なのでニオイが全くといっていいほどないのが不幸中の幸い(?)であった。

そして、ミンチと塩、米麹を混ぜ合わせるのだが、これがキツイ。以前の担当者が混ぜ合わせるのを失敗し、およそ
1,800sを腐らせ、廃棄処分したのを見ていたため、「私はそんな失敗はしない!」と自信をもっていたのだが、予想以上に過酷であった。

仕込み原料は丸い大きなプラスチックのタルに小分けしているので、1つ1つかき混ぜることになる。攪拌機を使うとタルのそこまで混ぜることができないので、腐らせないためには殺菌済みの長ゴム手袋をつけた手で直に混ぜるしかない。タルの底を混ぜるには当然手を深く入れることになるがこれがキツイ!

しかし、仕事であるので割り切るしかない!と考えていたときに原料が勢い良く飛んできた。避けられるはずもなく体中でうけとめるはめになったが、ここでなにかが吹っ切れた。


・・・・あとはノリと勢いである。
 
ペースト状になった原料
その2「発酵!」
  仕込みの段階でペースト状になった原料を発酵させるため、40℃の室温を保てる保温庫に入れるのだが、この後がまたキツイ。
室温40℃の保温庫の中で撹拌するのである。温度を保つため扉は閉めなければならないし、毛髪などが混入しないようにするため作業服も帽子も脱げない。
  そして、いくらペースト状といっても、撹拌用の大きな木ベラが折れるくらい重い。(実際一本折りました)一つのタルを撹拌するのに約1分。保温庫内には35タル入れることができるので、40分近く40℃の庫内で作業する事になる。かなり力を入れての作業に加え、この高温である。汗の量が半端ではない。
  こんな作業が10日間で1ラウンドとして9ラウンドもある。先は長い・・・。
 
その3「熟成!」
  発酵が終わった原料を熟成させるため、再度40℃の保温庫に入れるのだが、今度は体力勝負である。何しろ80s近くある原料のタルを3段積みにするのである。そして80s×3=240sのものを保温庫の奥まで動かさなければならない。
  1度に入れる原料も90タルほどある。あまりに多いので二人で作業することになるが、腰にかなりの負担がかかる。最初は一人で作業していたのだが、私生活にまで影響を及ぼすと考え、二人で作業する事にしたのだが、作業するたび"今まで自分一人でやっていたと、まわりに自慢する私は間違っているのだろうか?
 
重しを載せた原液
その4「搾る!」
  熟成が終わったら今度は絞りの作業となるのだが、苦労は尽きない。
3回の搾り(濾過)があるのだが最初はやはりトラブル続きであった。

最初の搾りは大きな濾過漕に多量の原液を入れ、500sの重しを載せて搾るのだが、この際危うく死人が出るところであった。
  事の始まりは、原液を入れ終え重しを載せたのはいいが、斜めに傾いてきたので小さな重しを載せてバランスを取り、水平になったところでもう1つ大きな重しを載せた。
その時である。小さな重しが滑り出し、さらに大きく傾き始めて「ドオォーン!」という轟音とともに500sの重しが落下したのである。もし近くに誰かが居たら間違いなくご臨終であっただろう。

しかし、幸いにしてこのときの犠牲者(?)はタル1つと搾り出てきた濾過液約120リットルであった。

 
濾過漕
 
コスモクリーナー
  2回目の濾過は当初予定してなかったが、精製するには澱が多く満足出来る製品にならないと考え急遽濾過行程が増えることとなった。
この2回目の濾過というのは、自然落下式とでも言うのか手間はかからないが時間はかかる。何しろ一滴一滴ポタポタ落ちるのだからじれったい。
 
しかしこの濾過を始めて数日たった時、ふと気づいた事があった。濾過漕は3つあるのだが1番右の濾過漕だけ多量の濾過液が出るのである。最初は単なる偶然だろうと思っていたが、その後も続き、魚醤油関係者(といっても3人)の間では色々な噂が出始めた。
「ダウジングしたら絶対反応するな」など他愛もない話なのだが、ふと「宝くじを置いたら当たるんじゃないか?」という話が出てきた。そんなわけねーべや、と言いながらも試してみたくなるのは人間の悲しいサガである。

結果は・・・当たっていたらワタシはここにいてこんな事は書いていないだろう。
 
そして3回目の濾過(精製)となるのだが、苦労よりドキドキの連続である。この行程は製品にするための精製となるので衛生管理と使用器具の点検、指さし確認には特に慎重になる。
この作業をするにあたり、専用の濾過器を使うのだが、それほど大きくない機械のくせにコンパクトカーがかえる程の値段だそうだ。
そして正式名称は長くて言いづらいし、「濾過器」と呼ぶのも何か失礼な気がするので 「コスモクリーナー」と名付ける事となった。
 
  コスモクリーナーを使っての作業はそれなりに順調なのだがドキドキものである。というのは、原液を循環ポンプでコスモクリーナーに通す際、圧力がかかるためホースがはずれる事があるのだ。ホースがはずれると当然原液が吹き出す。

せっかく苦労を重ねてここまで作ってきた物が川となって流れるのである。そのため圧力計とは常ににらめっこである。


 
  〜5月某日〜

地方局の番組でお料理コーナーに出演している、上品な女性の先生が見学に来られた。ちょうどそのときはコスモクリーナーがフル回転で、まさに危険と隣り合わせの綱渡り状態であった。
作業を中断すればよいのだが、他の仕事が詰まってしまうため続けるしかない。しかし先生はよりによって一番ホースがはずれやすい場所におり、角度的に原液が噴き出したら全身にかかるであろう位置にいる。

そんな状況を見ながら原液が噴き出したらどうなる?どんなリアクションを取る?間違いなく激怒するだろうな?・・・先生が危険区域にいたのは2・3分だったが、非常に長く感じた。先生が帰られた後はほっとしたのか、皆と他愛もない話で盛り上がっていた。

そして一言。

「あ、サインもらっときゃ良かった・・・」


現在まで、噴き出した原液の洗礼を受けたのは私が2回、傳法専務が3回である。しかも専務が居るときに限ってよくホースがはずれるのである。決して「わざと」ではありません・・・。
     
   
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